生産性向上に活用したい「IT導入補助金」とは

生産性向上に活用したい「IT導入補助金」とは 補助金・助成金

本記事は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上に活用してもらいたい「IT導入補助金」についてご紹介します。補助金の活用に際して気になる「概要」や「補助対象」、「補助額・補助率」など、事前に知っておきたいポイントをご紹介します。(所用時間:約5分)

「IT導入補助金」の概要

「IT導入補助金」の補助対象

「IT導入補助金」の補助額と補助率

「IT導入補助金」の支援対象となるITツール

「IT導入補助金」の概要

「IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)」とは、中小企業や小規模事業者等の生産性向上の支援を目的とした補助金の制度です。今日では、企業が抱える経営課題や人手不足解消のための業務効率化・生産性向上といった様々な問題・課題の解決にITツール(ソフトウェアやサービス等)の導入は欠かせません。そのため、ITツール導入にかかる事業費等の一部経費を国が補助してくれる便利な支援制度です。

以下は「IT導入補助金」の抑えておきたい基本的なポイントです。

補助額は最大450万円

対象となる業種やITツールが豊富

IT導入支援事業者が申請・手続をサポート

補助額は最大450万円

2021年に引き上げられた補助額は最大で450万円となっています。基本はソフトウェアや導入費が支援対象となっていますが、条件次第ではハードウェアも含まれるためITツール導入にかかる事業者の自己負担は大幅に緩和されます。そのため、これまで費用面の問題から生産性向上に取り掛かれなかった事業者等にとっては嬉しい支援制度となっています。

なお、補助額や補助率に関しては申請の枠や類型(後述)によって異なりますのでご注意ください。

対象となる業種やITツールが豊富

「IT導入補助金」は、対象となる業種やITツールが豊富です。製造業や卸売業、飲食・サービス業など幅広い業種に対応しており、中規模や小規模などの事業規模の違いに関してもしっかりカバーされています。また、対象となるITツールも幅広く対応している事から、業種・業態・規模が異なる事業者においても共通して活用しやすい支援制度となっています。

IT導入支援事業者が申請・手続をサポート

「ITツール導入支援事業者」とは、補助事業を中小企業や小規模事業者等の申請者と協力して進める共同事業者(パートナー)を指します。主に、申請者に対する適切なITツールの提案・導入・アフターサポートを行い、円滑な事業推進のサポートと導入するITツールの最適化を図ってくれる事業者です。

「IT導入補助金」の補助対象

補助対象となる中小企業・小規模事業者の主な業種をご紹介します。
資本金・従業員規模の一方が、下記表以下の場合対象(個人事業を含む)となります。

業種資本金従業員
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ソフトウェア業、情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
補助対象となる事業者(一部)

「IT導入補助金」の補助額と補助率

申請内容によって補助額や補助率の条件は異なります。ここでは、補助額と補助率についてご紹介します。
令和2年度、支援拡大のために「通常枠」とは別に「特別枠」が新たに設けられました。昨今の新型コロナ感染症への対策および拡大防止のための対策(テレワーク環境の整備、非対面型ビジネスモデルへの変換、サプライチェーンの毀損への対応)に取り組む事業を優先的に支援する事を目的としています。「特別枠」では、通常よりも補助率や補助額が引き上げられていたり、補助対象にハードウェアレンタル費用が含まれる等の点で優遇されています。「特別枠」であれば、ITツール導入費用の最大450万円(補助率3/4)の補助金を利用できる事になります。

補助額と補助率の違い

通常枠の「A類型」と「B類型」、特別枠の「C類型」などの違いは補助金額と補助率の違いです。通常枠は2つ、特別枠では4つの類型に分けて分類されています。

類型補助金額補助率
通常枠A型30万円~150万円未満1/2
通常枠B型150万円~450万円以内1/2
特別枠C類型-130万円~150万円未満2/3
特別枠C類型-1150万円~450万円以内2/3
特別枠C類型-230万円~300万円未満3/4
特別枠C類型-2300万円~450万円以内3/4
「IT導入補助金」の補助額と補助率

ツール要件(目的)と補助対象の違い

「特別枠」は通常枠と異なりツール要件(目的)や補助対象が異なりますので、留意点としてこちらも合わせてご紹介します。

類型ツール要件(目的)補助対象(ソフトウェア)※1補助対象(ハードウェア)※2
通常枠A型
通常枠B型
特別枠C類型-1サプライチェーンの毀損への対応のみ
特別枠C類型-1サプライチェーンの毀損への対応のみ
特別枠C類型-2非対面型ビジネスモデルへの転換、またはテレワーク環境の設備のみ
特別枠C類型-2非対面型ビジネスモデルへの転換、またはテレワーク環境の設備のみ
「IT導入補助金」のツール要件(目的)と補助対象

※1.ソフトウェア費、導入関連費
※2.ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費

「IT導入補助金」の支援対象となるITツール

支援対象となるITツールは、必ず「事業者の労働生産性向上をサポートする」に該当する必要があります。具体的には、「ソフトウェア(業務プロセス・業務環境)」「ソフトウェア(オプション)」「役務(付帯サービス)」の大きく3つに分類されており、それぞれの中にさらに細かな分類分けが設けられています。

ソフトウェア(業務プロセス・業務環境)

  1. 顧客対応・販売支援
  2. 決済・債権債務・資金回収管理
  3. 調達・供給・在庫・物流
  4. 業種固有プロセス
  5. 会計・財務・資産・経営
  6. 総務・人事・給与・労務・教育訓練・テレワーク基盤

ソフトウェア(オプション)

・自動化・分析ツール
・汎用ツール(テレワーク環境の整備に資するツール含む)
・機能拡張
・データ連携ツール
・セキュリティ

役務(付帯サービス)

・導入コンサルティング
・導入設定・マニュアル作成・導入研修
・保守サポート
・ハードウェアレンタル

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後に、補助金には「加点項目」というものが存在する場合があります。「加点項目」は、採択される確率を高めるためのポイントの1つとも言われているため、補助金の申請時において事業計画内容等が重要である事はもちろんですが、この加点項目を積み上げも見過ごす事はできません。「IT導入補助金」に関わらず、今後も他の補助金の申請を検討する場合においても、加点項目の対象と積み上げを意識する事で利用したい補助金がより活用しやすくなると思います。下記には、「IT導入補助金」の加点項目となる関連事業をご紹介します。

  • 地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画
  • 地域未来牽引企業
  • クラウドを利用したITツール導入の検討
  • インボイス対応ITツール導入の検討
  • 事業計画の策定と従業員への表明

コメント

タイトルとURLをコピーしました