本記事は、中小企業・小規模事業者等の革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する「ものづくり補助金」についてご紹介します。補助金の活用に際して気になる「概要」や「補助対象」、「補助額・補助率」など、事前に知っておきたいポイントをご紹介します。(所用時間:約5分)
「ものづくり補助金」とは
「ものづくり補助金」の補助対象
「ものづくり補助金」の補助額
「ものづくり補助金」とは
「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」とは、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援を目的とした制度です。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、社会経済の変化に対応したビジネスモデルへの転換に向けた新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者への支援や、事業が直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等への対応を支援するための補助金です。
「IT導入補助金」との違いは?
よく似ている補助金制度に「IT導入補助金」があります。「IT導入補助金」がITツール導入する事で業務効率化や自動化による生産性向上を目的としているのに対し、「ものづくり補助金」を活用するポイントは以下のような内容となっています。
新事業へのチャレンジしたい(または、ビジネスモデルの転換)
生産ラインを増強したい(または、生産プロセスの改善)
サービスの質を高めたい(新製品や試作品の開発)
「ものづくり補助金」の補助対象
補助対象となる中小企業・小規模事業者等の主な業種をご紹介します。
資本金・従業員規模の一方が、下記表以下の場合対象(個人事業を含む)となります。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
「ものづくり補助金」の補助額
「ものづくり補助金」の補助額の上限は1,000万円または3,000万円となっています。この補助金額の違いは、「一般型」と「グローバル展開型」と呼ばれる事業類型の違いです。なお、「ビジネスモデル構築型」事業類型も存在しますが、本記事では代表的な「一般型」と「グローバル展開型」の2つに絞ってご紹介します。
「一般型」事業類型
「一般型」事業類型はさらに「通常枠」と「低感染リスク型ビジネス枠」に分類されています。「低感染リスク型ビジネス枠」とはコロナへの対応として新たに設けられた新特別枠で、補助対象経費全額が以下要件のいずれかに合致する投資を条件としています。
・物理的な対人接触を減じる、革新的な製品・サービスの開発
・物理的な対人接触を減じる、生産プロセス・サービス提供方法の改善
・コロナ環境に対応した、ビジネスモデルへの抜本的な転換に係る設備・システム投資
項目 | 要件 |
---|---|
概要 | 「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援 |
補助額 | 100万円~1,000万円 |
補助率 | [通常枠] 中小企業者 1/2、小規模企業者・小規模事業者 2/3 [低感染リスク型ビジネス枠特別枠] 2/3 |
補助対象経費 | [通常枠] 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 [低感染リスク型ビジネス枠] 上記に加えて、広告宣伝費・販売促進費 |
「グローバル展開型」
「グローバル展開型」事業類型は、「海外直接投資、海外市場開拓、インバウンド市場開拓、海外事業者との共同事業」といった事業の活動範囲が広いため通常よりも補助額が高額に設定されています。
項目 | 要件 |
---|---|
概要 | 「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援(①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド市場開拓、④海外事業者との共同事業のいずれかに合致するもの) |
補助額 | 1,000万円~3,000万円 |
補助率 | 中小企業者 1/2、小規模企業者・小規模事業者 2/3 |
補助対象経費 | 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費 |
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後に、「ものづくり補助金」は1度は不採択だった方も再度応募することが可能です。例えば、1~5次締切で残念ながら不採択だった方も、6次締切に再度応募することが可能となります。
令和3年度内では、6次締切の以降も複数回の締切を設けることが予定されています。新事業へのチャンレンジや生産ラインの増強に限らず、新型コロナウイルスへの対応や海外展開等といった幅広い分野に対する支援制度なので、是非この補助金制度を有効に活用して頂ければと思います。
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